親愛なるあなたへ
人生には節目節目で様々な岐路があります。その岐路に立ち、その都度迷いながら、または即断即決しながら、自分の行く末に向かって日々進んでいます。
大人になると、というかおじさんになると、選択肢から何かを選ぶこと自体に慣れてきます。もちろん、選んだ道が正しかったかどうかは死ぬまでわかりませんし、死んでもわからないかもしれません。また、間違っていたと思っていても後々になって実は正しかった、なんてことはよく起こりうることでしょうし、逆もしかりです。
それに、その選択が最適解であったと誰が保証するのでしょうか。何をもってして最適であると言えるのでしょうか。正解かそうでないかは誰にもわかりません。言うなれば、その人の解釈によって変わってくるでしょう。これは、もはや哲学の領域ですよ。
ただし、明らかに間違いとなる選択肢もありますよね。最適解でなくても、明らかに間違いとなる選択肢さえ選ばなければ、人生なんとかなるんじゃないかと思います。
たとえば、いじめに遭っていて学校に行けない。学校に行こうとすると不安感が高まり足がすくむ。そのような場合、無理して学校に行っても余計に体調を崩してしまう恐れがありますよね。そこで体調を崩しながらも無理して学校に行くのはちょっと違うのではないかと思います。
では、子どもが宿題が嫌で学校に行きたくないと言ってきた場合、わたしはどうしたらいいでしょうか。なんて声をかけたらいいでしょうか。元メジャーリーガーのイチローさんは、宿題は将来やりたくないことでもやるための訓練と位置づけています。やりたいことしかやらなくなったら社会人として生きていくことが難しくなるというニュアンスのことを語っています。
これは一つの考えですよね。
もしかしたら、学校に行きたくない理由は他にもあるかもしれません。なので、子どもの言葉の真意を汲み取れることがベターな気がします。
話が逸れました。
学校に行くことで、自分の体調が優れなくなる。その場合には学校に「行かない」選択がいいと思います。人生、なんとか生きていればいいことがありますから。親の判断のみで、無理やり行かせるのはあまりよくないかなと個人的には思います。
ただし、これは逆も言えます。親の判断のみで学校に「行かせない」というのもどうかと考えます。
子どもは選択肢から自分に合った最適解を選ぶことにまだ十分に慣れていません。未熟です。理由はどうであれ、子どもの「行きたくない」気持ちに寄り添うことはとても大切です。ただし、親の「行かせたくない」という気持ちに子どもが無理に寄り添う必要はありません。子どもは先を考えながら物事を判断したり、行動したりすることが十分にはできません。では、何を判断材料にして行動に移すかというと、親、兄弟、友達、学校の先生、ユーチューバー仲間などとのやりとりから得たものです。
学校に行っても得られるものは何もないのでしょうか。そして、それは親が判断することなのでしょうか。子どもは、様々な人との関わりを通して様々なことを学んでいきます。その環境は別に学校でなくてもいいです。ただし、実際に人と関わるのはその子自身です。何かを学ぶのもその子自身です。主体は親ではなく、その子自身にあるわけです。親は子どもが何かを学ぶ機会を広げることもできますが、狭めることもできてしまいます。狭めようとしていなくても、結果的に狭めてしまったということもあるかもしれません。
最適解とは誰にとっての最適解か。そこをよく考えていきたいものです。
そして、環境が家だけになると、その子がやりとりする相手は親が中心となります。となると、親からの影響をもろに受けるわけです。親の言動がその子の生きる指針となるわけです。小さい子は、どの子も親とのやりとりが中心ですが、小学生以降は、家族以外の人との交流が広がる時期です。人は交流を通して自分の了見を広げていきます。
繰り返しますが、過ごす場所はどこだっていいんです。家で、リモートで様々な人との関わりを経験することだって十分にできます。今はOrihimeが話題ですよね。すごくいいと思います。
大事なのは、親がそういった教育環境を保証することです。親の判断で子どもの教育環境を狭めないようにすることです。子どもが小さく、自分で判断し、選択し、行動する力が十分でない時に、不必要な刷り込みはすべきではありません。まあ、何をもって不必要かは個人によって様々ですけどね。ただ、なるべく、その子自身の立場を想像して、その子が過ごす環境を整えたいですね。
最後に一言。もし今後卒業証書をもらった後、その卒業証書を破る動画をアップするのはやめてね。破るか飾るかはあなた次第だけど、それを別に動画にしてアップしなくてもいいんじゃない。それを用意した人が見たらどんな気持ちになるか想像してほしいよ。「勝手に作っただけやろ?」と思うかもしれないし、証書などどうでもいいかもしれないけどさ。
まあ、証書を用意した人の気持ちなんて考えたって、なんの収益アップにもならないので考えるだけ無駄かもしれません。貰ったもの、何をしようが自由。そうです、その通りです。大きなお世話です。悪うござんした。
でもね、自分がもし近くにいたら、この動画をアップすることを止めていたよ。
あなたはね、知らないこと、気付いていないことがまだいっぱいある。それはわたしも同じです。知らないこと、気付いていないことをしっかりと伝えてくれる人にたくさん出会えるといいですね。
そんな出会いをなるべく保証できる親でありたいです。
最後の最後に、わたしからあなたへおすすめの本を紹介します。
これは、ハタチくらいになってからでいいですよ。
あと、DVDも。
おつかれさまでした。