わたしには夢がある

自分なりに調べたこと、思っていることを書き記していきます。頑張ります。

「くらい」「あつい」「おもい」などの言葉は、生活を通して覚えていく

他にも「きれい」であったり、「こわい」であったり、そういった言葉を概念と呼ぶことがあります。概念というのは、それ自体に実体はありません。「きれい」なヒトはいても、「きれい」という言葉にカタチはありませんよね。

 

子どもにとって、上記の概念に関する言葉は、「ママ」や「ワンワン」などの言葉と違って実体がない分、理解したり、表現したりすることが難しいです。なので、「ママ」や「ワンワン」などの実体がある言葉を言えるようになるよりも後になってから覚えます。

 

では、実体がない言葉をどのようにして学んでいくかと言いますと、生活の中での経験を通して学んでいきます。これは「ママ」や「ワンワン」などの実体がある言葉とも同じです。同じなのかいという感じかもしれませんが、「これはワンワン」「これはバナナ」「これはきいろ」と教え込もうとしても中々言葉は定着していかないんですよね。お母さんと外を歩いていて、近くに犬がいることに子どもが気付いた状況で、お母さんが「ワンワンだね」「かわいいね」と、また、家で子どもと一緒にバナナを食べている時に「バナナおいしいね」「あまいね」などと語りかけますよね。その時のやりとりで感じた楽しさや心地よさという「経験」がベースとなり、子どもの中で目の前の“犬”と「いぬ」という言葉が結びついていくと考えられています。

 

もし、ここで犬が「ワンワンワン!」と吠え、子どもが怖がったとします。この状況で、「こわい」などの言葉を知らなかったり、知っていてもまだ言葉にできなかったりする時、「こわい」と自分の気持ちを言葉にすることは難しいです。ですが、例えばここでお母さんが「こわかったねー」「びっくりしたね」と子どもの気持ちを代弁することで、実体のない「こわい」という言葉が、その時の状況と結びついて、「こわい」という言葉の意味を知ることができます。他にも、パンパンに入った買い物袋を「おもい〜」と言いながら持っていると、それに興味を持った子どもであれば、これが「おもい」ということかーと何となく感じるでしょう。トラックが近くを通った様子を子どもと一緒に見ている時、おそらく保護者さんは「おっきいねー」などの言葉をかけていると思います。それを子どもが受けとめることで、「おおきい」という言葉が、大きいトラックと結び付き、「おおきい」の意味を知るのではないかと思います。

 

なので、特別なやり方は別になくて、子どもがその時に関心を寄せているものについて、大人も一緒になって関心を寄せるということが大事であると思います。これは言葉のみならず、様々なことにも大事であるはずです。

大人との心地いい生活の中で経験したことが言葉を育む土台になっていると私は考えます。