これはとある後輩と私の話。
ハラスメントを受けた人が産業医の指導により所属部署が変わり、私が所属する部署へと異動となった。
その人は私よりも年齢も社会人経験も少ないいわゆる後輩である。
その後輩は、前の部署で一部の人からめちゃくちゃな言われようであった。そして、その言い方は「ハラスメント」に値するものであり、部署全体の問題となった。
まぁ当たり前である。昔はそんなこと普通に通っていたことも、このご時世ではそうはいかないし、昔の「普通」がどう考えてもおかしい。
その人はチームが変わり、かくかくしかじかで私が指導係になった。
指導係といっても特に何か大それたことはしないし、とりあえずその人が仕事に来れるようにすることが最初のミッションであった。
そのミッションは何てことなくクリアとなった。簡単なことだ。その人を追い詰めるようなことをしなければいいだけ。
そして第二段階に入り、今度は自分の部署の仕事を覚えること。
ここもゴタゴタは色々あったが、何とかクリアした。
次は第三段階、一人で仕事をこなすこと。
ここまでは順調に来ていたと思われた。しかし、そうではなかった。第二段階で色々と問題が生じていて、第三段階が思うようにいかない。
要因は何か。ひとえに「これだ!」と特定はできていないのだが、私に指導係を命じた上司とのミーティングで、要因の一つにコミュニケーションの齟齬が挙げられた。
後輩と私のコミュニケーションがうまくいっていないのだ。もっというと、お互いがお互いの言っていることを十分に理解できていなかった。何でかというと、お互いに相手の意図を察するのが極端に苦手なのだ。なので、会話にズレが生じて、でもそれにお互いが気付かず、いざ問題が発生してから「あれ?おかしいぞ」となる。
何が言いたいかというと、コミュニケーションが下手な私に、コミュニケーションが苦手な後輩の指導をさせるなよ、うちの上司!ということである。
会話が成り立ちにくいだけではない。場面に応じた行動も苦手、初めてのことには繰り返し手本を見せることが必要。そんな要素が我が後輩にはある。そして、それは私にももちろんある。
そんな感じなので、色々なゴタゴタがチラホラと出現し、ハラスメントとはまた別の問題が生じるようになった。
そんな苦境を迎えているのだが、後輩はどうやら元気を取り戻したようだ。新しい部署の別の人とは元気にLINEをしているとのことだ。それは良かった。ミッション達成だ。
しかし、今度は私が仕事に行けなくなりそうになっている。仕事を休みたくて休みたくて仕方がなくなっている。
誰か助けてくれ。私が異動したい。