文字を声に出して読む過程について再度書きます。
今回は、文字を読み始めたばかりの場合に焦点を当てています。これ、すごく大事です。読み始めたばかりの時期は、まだ文章をスムーズに読むことが難しいです。この時期は、文字を1文字ずつ読んでいきます。少し専門っぽく言うと、1文字ずつ音に変換しているのです。音というのは読みのことです。
たとえば、“さつまいも”というひらがなの文字単語を見たとき、読むことに成熟している段階にある人は、スムーズに「さつまいも」と声に出して読むでしょう。なぜスムーズに読めるかと言うと、「さ」「つ」「ま」「い」「も」、と文字を1文字ずつ音に変換しているのではなく、「さつまいも」、と単語としてまとめて読めるようになっているからです。しかし、読み始めたばかりの時期にいる子どもさんの場合は、「さつまいも」と単語として認識して読むことがまだ難しいです。この時期の子どもさんは、まだ文字単語を単語として認識できず、文字を1文字ずつ音に変換して読む段階にあります。
なので、文字を読み始めたばかりの子どもさんが文字を読むときには、
(大まかですが)
①見た情報の中から文字を見つける
②見つけた文字を頭の中で1文字ずつ音に変換する
③変換した音を声に出す(読む)
という過程があると考えます。
①“さ つ ま い も”という文字の列を見つけ、
②頭の中で、“さ”という文字を、(さ)という音に変換する
③変換した音(さ)を声に出す(「さ」)
(以下、「つまいも」も同様に)