一つ目の要素である、1文字を正しく読むことについてですが、ひらがな1文字を正確にかつスムーズに読めるようになることが、次の段階への足掛かりになります。
ちなみに、文字に合った読み方をする、つまり文字を音に変換することをデコーディングと言います。このデコーディングが正確にかつスムーズにできるようになると、文字を読む負担が減ることにつながります。
まずは1文字1文字を正しい音に変換できる(文字を声に出す)ようにしていきましょう。
二つ目の要素、ある程度のスピードで読むことについては、文字単語ごとにまとまりで読めるようになることが、ある程度の音読スピードにつながります。文字単語ごとにまとまりで読めるようになるためには、その文字単語を見て、その単語の意味やイメージが湧くようにすることです。
例えば、“きのうおこのみやきをたべた”という文があったとします。この文を大人が読んだ時、「お好み焼き」という文字単語のイメージや「食べた」という文字単語の意味を思い浮かべることができたかと思います。読むことが苦手なお子さん場合で、読むことがたどたどしく、文字単語のイメージや意味を捉えるのに時間がかかっても、この文を読んで聞かせた時には、「お好み焼き」や「食べた」という単語のイメージや意味がそのお子さんの頭の中でパッと思い浮かぶと思います。
純粋に読むのが苦手なお子さんの場合、読むのが苦手なために文字単語から意味を理解するのに時間がかかるだけで、その単語の意味自体は理解できているんですよね。なので、ここで大事なのは文字単語と意味を結びつけることです。
文章を文節で区切る配慮と同時に、その文中の単語の意味を知る機会をつくることも大切です。