わたしには夢がある

自分なりに調べたこと、思っていることを書き記していきます。頑張ります。

頭の中で単語を一つひとつの音に分解する力が大切

子どもは4歳なかばぐらいから、耳で聞いた単語を頭の中で一つひとつの音に分解できるようになります。単語を一つひとつの音に分解することを音韻分解といいます。「くるま」と聞いて、子どもは自分の頭の中では“おとうさんおかあさんのくるま”や“かっこいい”、“はやい”、“あかいくるま”など、その単語が持つ“意味”について思い浮かぶことができている思います。それが4歳なかば頃から単語の“意味”だけでなく、単語の“音”についても考えられるようになります。

聞いた単語の音について扱ったり、考えたりする力を音韻意識といいます。音韻意識を構成する要素として、音韻分解の他にもいくつかあります。例えば、聞いた単語の一部の音を抜くと何になるかと考える(「た」ぬき言葉:「たぬき」から「た」を抜くと何になる?→答え「ぬき」など)、これは“削除”と言って分解ができる時期よりももっと後にできるようになる難しい課題です。

 

聞いた単語の音について頭の中で考えられるようになる時期に、ひらがなをぽつぽつ読めるようになります。ひらがなを読む力と音について考える力は大いに関係しています。

 

ひらがな・カタカナなどの文字は、話し言葉を一つひとつ音に分解し、分解した一つひとつの音にひらがな・カタカナという“記号(文字)”を結びつけたものです。

子どもは大きくなってくると絵本などに書かれている“文字”という存在に気付き始めます。子どもにとってはじめは単なる記号であったものが、その記号に音がくっつくということにも気付くようになります。その記号に音が結びつき、子どもはその記号を“文字”と認識するようになります。


文字に音を結びつけるためには、単語の音について頭の中で考える力が必要になります。“くるま”という文字単語を見た時に、頭の中でくるまという単語を一つひとつの音に分解できていないと、ひらがなで書かれた“く“ ”る“ ”ま”という文字の一つひとつに、「く」「る」「ま」という一つひとつの音を結びつけられないですよね。“く”という一つの文字に、「くるま」という音のカタマリをそのままぶつけるわけにはいきません。単語という音のカタマリを、一つひとつの音に分解できたからこそ、それらの音を文字一つひとつに結びけられるのです。

 

音と文字を結びつけられるようになることで文字が読めるようになります。文字を読めるようになるということを別の言い方に置き換えると、文字を見て、その文字に合った音を頭の中から取り出せるということです。

文字を読み始めたころは、例えば“く”という文字を見ても、すぐに「く」と読めません。読むにあたって少し時間がかかります。ですが、段々スムーズに読めるようになります。文字を見てスムーズに読めるのは、頭の中からその文字に合った音(ここでは「く」)をスムーズ(自動的)に取り出せるからなのです。

スムーズに音を取り出すためには、音韻意識とは別の力も関与していると考えられています。それはまた別の機会に触れますが、ひとまず文字を読む力(文字を見てその文字に合った音を頭の中から取り出す力)の土台となるのは音韻意識といわれています。