単語の音への意識というやつですね。
音への意識というのは、言葉(単語)の音に注目し、その音について考えたり、音を扱ったりする力のことです。
例えば、「くるま」という単語を耳にして、「くるまと言う単語の音はいくつありますか?」と問われたら何と答えますか?
まぁ、いきなり「単語の音はいくつ?」と言われても「はっ?」って感じかと思いますが、答えは3つです。「く」「る」「ま」の3つです。言われてみれば「あぁ」と思うでしょう。
上記のように(音声の)単語を一つ一つの音に分けたり、最初の音は「く」、逆さから読むと「まるく」、などその単語の音について考えたり、音の順番を入れ替えたりする力のことを音への意識と言います。
専門っぽく言うと、「音韻意識」といいます。本によっては「音韻認識」と言ったり、「音韻認識能力」と言ったりすることもありますが、ここでは音韻意識と言うことにしますね。
この音韻意識は、文字を読む力ととても関係が深いと考えられています。
ここでは、ひらがなを例にしますね。
”あ”というひらがながありますよね。このひらがなは何と読みますか?
答えは「あ」ですね。
続いて”か”は何と読みますか?
答えは「か」ですね。
このように、ひらがなは文字とその読み(音)がほぼ固定化されているんですよね。
”あ”というひらがなは「あ」以外の読み方をしないですよね。必ず「あ」と読みます。
「読み方」を「音」と言い換えると、文字と音は固定化しているというか規則的な関係にあるわけです。
で、ひらがな一文字を読むためには、その文字に対応する音を覚えることが必要です。
また、その文字に対応する音を覚えるためには、その文字に適切な音を対応させる必要があります。
先ほどの話で言えば、”あ”というひらがなに「あ」という音を対応させるということです。
で(2回目)、対応させるためには、頭の中にある単語を一つ一つの音に分解する必要が出てくるわけです。分解というのは、例えば「くるま」という単語を「く」「る」「ま」と一つ一つの音に分けるということです。
そうです!
ここで先ほどの音韻意識が必要となってくるのです。
音を分解するなどの音韻意識が育ってくることで、頭の中の単語を一つ一つの音に分けられることに気付き、かつ分けた一つ一つの音が目の前のひらがなに対応させられることにも気付きます。目の前の記号(例えば”あ”)に「名前(音)」があることに気付くとも言えます。そして、その記号は、他のマークや数字などとは異なる記号であり、それが「文字(ここではひらがな)」というものであることをやがて理解するようになります。
以上が単語の音について考えたり音を扱ったりする力(音韻意識)と文字を読む力の関係です。一見関係がなさそうに思えますが、「音韻意識」と「文字を読む力」は実は大いに関係しているわけです。
ただし、読む力は音韻意識だけでは決まりません。その他にも関連する要因があります。
うーん、難しいですね。日々勉強です。