「た」ぬきことばは、言葉あそびの中でも比較的難しい部類に入るものであると思います。そもそも「た」ぬきことばと一体どんな遊びかと言いますと、その名の通り、ある言葉から「た」などの特定の音を抜く遊びです。
例えば、「たぬき」から「た」を抜くと何になりますか?
答えは、「ぬき」です。
他にも、「くるま」から「る」を抜くと何になりますか?
答えは、「くま」ですね。
こんな感じで、ある単語から特定の音を抜き出す遊びです。
この遊びは、結構難しいです。結構という表現がかなり抽象的ですが、年少さんや年中さんの年齢ではおそらく難しいでしょう(もちろんできるお子さんもいると思われますが)。年長さんになると、音の数が少ない言葉(「あし」、「くつ」など)から少しずつできるようになると思われます。
この遊びが難しい理由として、答えを出すまでの過程が複雑だからです。
例えば、「くるま」から「る」を抜いたら何になりますか?と問われた時に、
①「くるま」という単語と、「る」を抜くという作業を覚えておかなければならない
②「くるま」を覚えつつ、「くるま」をひとつひとつの音に分解する
(この間にも「る」を抜くという作業を頭の片隅に覚えておく)
③「く る ま」と分解した後に、そこから「る」を抜く
④「る」を抜いた後に、「く」と「ま」を再度組み合わせる
⑤「くま」と答える
かなり雑な書き方ですが、このようにいくつかのステップを踏む必要があり、単語の音に意識を向ける力だけでなく、何かを覚えつつ別の何かをするという記憶の力も必要になると考えます。