デコーディング decoding とは、
文字を音に変換することです。
「変換」というとわかりにくいのですが、簡単に言うと「音読」のことです。
みなさん、昔学校の授業で教科書に書かれてある文字や文章を音読しましたよね。
音読というのは、書かれている文字を声に出して読むことです。
文字を声に出して読むためには、文字を音に変えるということです。
“文字を音に変える”
うーん、わかりにくいですよね。
例えば“あ”という文字は何と読みますか?
正解は・・・
「あ」
です。
つまり“文字を音に変える(デコーディング)”というのは、
その文字に対応した読み方をするということです。
先ほどの“あ”という文字。
これをどう読むかというと「あ」と読みますよね。
これを「か」とか、「よ」なんて読まないですよね。
極めて当たり前の話に聞こえるのですが、この当たり前で簡単なことが、ディスレクシアの方々にとっては難しいのです。
ちなみに、日本語の仮名文字というのは、文字ごとに読み方が決まっています。
一つの文字に対して、読み方は一つしかありません。
しつこいようですが、“あ”という文字は、「あ」としか読みません。
ただし、これが英語圏などで使われるアルファベットだと勝手が違ってきます。
例えば“a”
この文字、単語によって読み方が異なりますよね。
“a”が入る単語で思い付くのが、
“cat”とか“take”
この二つの単語の読み方なのですが、
「キャット」と「テイク」(カタカナ英語ですみません)ですね。
そして、“a”の部分の読み方を切り取ってみると、
「ア」と「エイ」ですよね。
同じ“a”という文字でも、単語ごとで読み方が違います。
日本語の仮名文字は読み方が規則的であるのに対して、英語圏の人が扱うアルファベットは読み方が不規則なのです。
デコーディングが苦手な子は、アルファベットのような文字の読み方が不規則な言語では、読む時に「何て読むんだっけ?」と、より混乱を来しやすくなるでしょう。
このことは、言語ごとでディスレクシアの発症率に差が出る要因にもなっています。
また、日本語の仮名文字の読み方は規則的ですが、漢字は違いますよね。
音読みや訓読みがあり、不規則になります。それに習う漢字の数が膨大です。
漢字指導に関するの考えは様々です。
なるべく子どもに負担がないようにしたいものです。